1日1論文、30日で、
薬剤師としてレベルアップ!
医学論文の活かし方
いまや心不全や腎疾患に対しても注目されているSGLT-2阻害薬ですが、もともとはここから始まりました。復習もかねて読んでみましょう。
音声でサクッと聞きたい方はこちら。https://stand.fm/episodes/606b09ee9e0dbe404dbf699d
Empagliflozin, Cardiovascular Outcomes, and Mortality in Type 2 Diabetes
PMID:26378978
論文のPECOは?
心血管疾患のある2型糖尿病患者(n=7、028)
エンパグリフロジン 10mg(n=2,345)、25mg(n=2,342)
プラセボ(n=2,333)
主:心血管疾患死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中の複合アウトカム
論文のチェックポイント
➡ 記載あり
➡ 2重盲検
➡ 非劣性試験のため、ITTではない
➡ 3.1年(追跡中央値)
➡ 真のアウトカム
結果はどうだったか?
主:HR=0.86(95%Cl:0.74-0.99)
エンパグリフロジン群:10.5%(490/4、687)VS プラセボ群:12.1%(282/2,333)
考察
この論文からは、少なくともエンパグリフロジンは心血管イベントを増やすことは少ないだろうと推測できます。
有意差はついていますが、ギリギリな印象ですし、死亡も減らしているようですが、利尿作用がいい方向に働いたのかは不明です。
こういった論文では、ベースラインの患者群は肥満傾向にあることが多いです。実際の患者さんに適応できるか?これがカギになりそうです。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。