DPP-4阻害薬の「サキサグリプチン」は糖尿病患者の心血管イベントを抑制するか?~医学論文の活かし方 Day9~

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1日1論文、30日で、薬剤師としてレベルアップ! 医学論文の活かし方

今回はDPP-4阻害薬の「サキサグリプチン」についての論文です。わりとファーストで使われることが多いDPP-4阻害薬ですが、心血管イベントの発症についてはどうなんでしょうか?読んでいきたいと思います。今回は音声でも残しています。サクッと聞きたい方はこちらもどうぞ。

https://stand.fm/episodes/6067d9569e0dbe67b0bf2d67

Saxagliptin and cardiovascular outcomes in patients with type 2 diabetes mellitus

PMID:23992601

論文のPECOは?

P(どんな患者に?)

心血管疾患の既往・リスクがある2型糖尿病患者(n=16、492、平均65.0歳)

E(どんな介入を)

標準治療+サキサグリプチン5mg(n=8、280)

C(何と比較して)

標準治療+プラセボ(n=8、212)

O(どのように評価した?)

主:心血管疾患死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中の複合アウトカム

T(追跡期間は?)

2.1年(追跡中央値)

論文のチェックポイント

ランダム化されているか?

➡ されている

盲検化されているか?

➡ 2重盲検

ITT解析されているか?

➡ 修正ITT解析(非劣性試験のため)

真のアウトカムか?

➡ 真のアウトカム

 結果はどうだったか?

主要評価項目 HR=1.00[95%Cl:0.89-1.12]

サキサグリプチン群:613例(7.3%)VS プラセボ群:609例(7.2%)

考察

DPP-4阻害薬はプラセボと比較して心血管イベントを増やす可能性は低いという結果に。そもそもの所、血糖値への影響をみているわけではないので効き目に関してはこの結果からは何とも言えない。見方によってはいろんな解釈も可能。薬によって寿命に影響が出るわけではなさそうなので、他の論文も併せてみていくことが必要かもしれないですね。

最後まで見ていただいてありがとうございました。

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