男性の過活動膀胱の治療に3剤併用は有効ですか?
ステイホーム週間に入った。論文に触れるにはいい機会と考えて論文検索してみたら興味深い論文が見つかったので読んでみた。
A 52‐week multicenter randomized controlled study of the efficacy and safety of add‐on dutasteride and imidafenacin to tamsulosin in patients with benign prostatic hyperplasia with remaining overactive bladder symptoms (DIrecT study)
PMID:30358116
論文のPECOは?
163名の下部尿路疾患患者
タムスロシン+デュタステリド+イミダフェナシン
タムスロシン+デュタステリド 両群ともにタムスロシンを8週間投与されている
OABSS(過活動膀胱スコア)の変化(主要アウトカム)
論文のチェックポイント
➡ されている
➡ オープンラベル
➡ FAS
➡ 52週間(36週で中間評価)
➡ スコア評価のため、微妙
結果はどうだったか?
OABSSスコア(総スコア) | ベースラインからの変化 | 群間のp値 | ||
36週 | 52週 | 36週 | 52週 | |
TD群(2剤) | -1.15 | -1.54 | <0.001 | 0.002 |
TDI群(3剤) | -3.45 | -2.97 |
考察
36週の時点では3剤併用群のほうがOABSSスコアの改善がみられる傾向。ただ、52週になると群間に有意差がなくなる結果に。24%の脱落も気になりますが、時期や気温の変化も影響するのかもしれないと思います。
イミダフェナシンを加えることでやはり過活動膀胱の症状は改善される印象。男性に抗コリン薬の処方はあまり見かけることはないが、この3剤併用を見かけたら服薬指導時は参考になりそう。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。