CVDリスクを抱える2型糖尿病患者に対する、厳格な血糖降下療法の有益性~医学論文の活かし方 day8~

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1日1論文、30日で、薬剤師としてレベルアップ! 医学論文の活かし方

すっかり更新頻度が落ちてしまった・・ 難しいものですね。でもあきらめずにやっていきます!今回からちょっと難しい領域に。

Effects of intensive glucose lowering in type 2 diabetes

PMID:18539917

論文のPECOは?

P(どんな患者に?)

平均A1cが8.1の糖尿病患者(10251人)

E(どんな介入を)

A1c6.0を目指して治療を行う

C(何と比較して)

A1cを7.0~7.9でコントロールする治療

O(どのように評価した?)

非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、心血管死の複合アウトカム

論文のチェックポイント

ランダム化されているか?

➡ されている

盲検化されているか?

➡ 記載なし

ITT解析されているか?

➡ されている

追跡期間は?

➡ 3.5年

真のアウトカムか?

➡ 真のアウトカム

 結果はどうだったか?

非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、心血管死の発生

HR=0.90(95%cl:0.78~1.04)

強化療法群:352例 標準療法群:371例

考察

A1cの治療目標を厳しく設定した群と7.0~7.9でコントロールした群では心血管イベントアウトカムの発症に有意な差はなかった。という結果に。

ベースラインの患者群は平均がBMI32と肥満体形であることに注目しておくと、服薬指導の現場で活用しやすいのではないかと考える。

最近は、その時点の採血結果よりは、経時的に上がっているのか、下がっているのかで患者さんと治療について一緒に考えることにしている。なかにはA1cの変動だけをみて一喜一憂する患者さんもいるが、そんなときのアドバイスにこの論文の結果は最適なのかもしれない。もちろんほかの論文も読んでおく必要はあるけれど。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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