風邪の初期に飲む市販薬「葛根湯」vs「パブロンゴールドA」〜医学論文の活かし方 day5〜

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1日1論文、30日で、
薬剤師としてレベルアップ!
医学論文の活かし方

今回は漢方薬についての論文です。

Non-superiority of Kakkonto, a Japanese herbal medicine, to a representative multiple cold medicine with respect to anti-aggravation effects on the common cold: a randomized controlled trial

PMID:24785885

論文のPECOは?

P(どんな患者に?)

風邪の初期症状で外来を受診した患者

E(どんな介入を)

葛根湯を服用

C(何と比較して)

パブロンゴールドAを服用

O(どのように評価した?)

風邪症状の悪化(寒気、鼻、喉、気管支の症状)

論文のチェックポイント

ランダム化されているか?

➡ されている

盲検化されているか?

➡ 記載なし

ITT解析されているか?

➡ されている

追跡期間は?

➡ 4日、または症状がなくなるまで

真のアウトカムか?

➡ 真のアウトカム

 結果はどうだったか?

5日以内に感冒症状が悪化した人の割合

葛根湯群:38例(22.6%) vs パブロンゴールドA群:43例(25.0%)

軽度の副作用

葛根湯群:7例(4.2%) vs パブロンゴールドA群:12例(7.0%)

考察

葛根湯を服用した場合、パブロンゴールドを服用した場合と比べて症状の悪化に有意差がつかなかったという結果に。

漢方薬の論文はきちんと証も考慮されているのがポイントになるので、薬局店頭での場面では証にあっているかは確認する必要がある。そのうえで医薬品の選択肢としてパブロンでも葛根湯でも十分症状は楽になりますよとアドバイスができると思う。

個人的には、この論文を読んで、介入群も対照群も服用期間中は自宅で休んでいたのだろうか?と思う。もし仕事に行ってたら職種によって回復の度合いは違うだろうし、職場によって無理させない配慮やその逆もありうるから。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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