風邪に対する抗菌薬投与は、肺炎をどのくらい予防するか?〜医学論文の活かし方 day3〜

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1日1論文、30日で、
薬剤師としてレベルアップ!
医学論文の活かし方

仕事始めですね。更新頻度が落ちないように頑張ります。

今回もコホート研究ですね。前回とはアウトカムの考え方が違う点にも注目していきます。

Risks and benefits associated with antibiotic use for acute respiratory infections: a cohort study

PMID:23508604

論文のPECOは?

P(どんな患者に?)

急性の非特異的呼吸器感染症

E(どんな介入を)

抗菌薬あり

C(何と比較して)

抗菌薬なし

O(どのように評価した?)

肺炎による入院、重篤な有害事象による入院

論文のチェックポイント

真のアウトカムか?

➡ 真のアウトカムと言える

追跡期間は?

➡ 15日

調整された交絡因子は?

➡ 記載が見つけられなかった

 結果はどうだったか?

肺炎による入院

調整後のリスク差 -8.16(95%CI、-13.24〜-3.08; P = .002)

重篤な有害事象による入院

調整後のリスク差 -1.07(95%CI、-4.52〜2.38; P = .54)

考察

抗菌薬による治療は有害事象を増やすことなく、肺炎による入院を減らす可能性がある。というのがこの論文の結果。

この論文を読んでちょっとモヤモヤしたのが、症状の改善じゃなくて、入院を減らすというアウトカム。服薬指導の現場で、きちんと治療すれば、入院しなくて済みますよ。というのはちょっと違うような気がして。ただ、有害事象については有意差がついてないけれど、きちんと飲めば安全に効き目が期待できます。くらいは伝えられそうな気がする。

コホート研究は交絡因子が関係してくるので解釈が難しい。もうちょっとこの辺勉強しないといけないなぁ。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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