重度の認知症患者にコリンエステラーゼ阻害薬を中止できますか?

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ナーシングホームにおける重度認知症患者へコリンエステラーゼ阻害薬の中止の影響は?

なかなか衝撃的なテーマですね。個人的にも興奮や頻脈などの有害事象がない限りは中止を提案することもないと考えていました。とくに施設などにおいては認知機能の低下が介助などに大きく左右されることも多いため、気になって読んでみました。アブストラクトしか読めないですが、ご紹介します。

Risk for Health Events After Deprescribing Acetylcholinesterase Inhibitors in Nursing Home Residents With Severe Dementia

PMID:31769507

論文のPECOは?

P(どんな人に)

2016年にMDS評価により14日以内にコリンエステラーゼ阻害薬を処方された重度認知症患者 37106人

E(どんな介入を)

コリンエステラーゼ阻害薬の中止

C(何と比較して)

継続治療?

O(どのように評価した?)

コリンエステラーゼ阻害薬による有害事象や転倒、骨折のリスク

論文のチェックポイント

研究対象集団は?

➡ 高齢者のナーシングホーム入居者のため、一般人口を対象にしている。

交絡への配慮は?

➡ アブストラクトからは見つからない。

追跡期間は?

➡ 不明

真のアウトカムか?

➡ 真のアウトカム

 結果はどうだったか?

コリンエステラーゼ阻害薬が関与すると考えられる何らかのイベント

調整後のオッズ比 = 1.00(95% CI = 0.94-1.06; P = .94)

重大な転倒または骨折リスク

調整後のオッズ比=0.64( 95% CI = 0.56-0.73; P < .001)

考察

アブストラクトのみのため、詳しい交絡などについてはわからず。併存疾患や併用薬などについて配慮されたようだが・・

結果だけを見ると、コリンエステラーゼ阻害薬を中止しても有害事象については有意差がなかった。また、重大な転倒や骨折については逆にコリンエステラーゼ阻害薬を中止することで発生率が低下する可能性があると記載されている。

全文が読めないため、この結果をそのまま薬局などの現場で服薬指導や処方提案に当てはめるのは難しいかもしれません。利用者さんの生活スタイル、運動能力などを考慮し、慎重に適用することが大切かもしれません。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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