外用の痛み止めって飲み薬と比べてどうなの?

2 min 1 views

外用痛み止めと経口の痛み止めの比較

先日のエビテンでお話しした論文です。服薬指導の場面で湿布だけずっと使い続けている患者さんは少なくありません。痛み止めの飲み薬は必要ないんですか?と聞いたこともあります。外用薬はどのくらい効くのかな?という疑問をもったので論文を調べていたらジクロフェナックの経口と外用の比較が見つかったので読んでみることにしました。

Equivalence study of a topical diclofenac solution (pennsaid) compared with oral diclofenac in symptomatic treatment of osteoarthritis of the knee: a randomized controlled trial

PMID:15468367

論文のPECOは?

P(どんな患者に?)

622人の膝関節症の患者

E(どんな介入を)

ジクロフェナック外用液(solutionなので湿布ではないようだ)

C(何と比較して)

ジクロフェナック経口

O(どのように評価した?)

WOMACスコア評価(痛み、身体機能評価など)同等性試験も行われている

論文のチェックポイント

ランダム化されているか?

➡ されている。

盲検化されているか?

➡ 2重盲検、ダブルダミー

ITT解析されているか?

➡ ITT解析もされているが、同等性試験もみるため、PPS解析も行われている。

追跡期間は?

➡ 12週間

真のアウトカムか?

➡ 痛みの改善なので、真でよい

 結果はどうだったか?

ITT解析

WOMACスコア 痛みの評価ベースラインからの変化量(mm)改善率P値
ジクロフェナック外用-11841%0.10
ジクロフェナック経口-13446% 
WOMACスコア 身体機能評価ベースラインからの変化量(mm)改善率P値
ジクロフェナック外用-34836%0.008
ジクロフェナック経口-43845% 

考察

同等性試験については両側レンジに収まっており、両剤の同等性が検証された。

痛みをとる。ということについては外用薬は経口と比較しても劣ることはないのかもしれない。むしろ胃腸障害なども考慮すると、外用薬を続けることのメリットもありそうな感じはする。ただ、追跡期間が12週のため、それ以上続けることについては明確にはなっていない。長期間処方されている患者さんについては、腫れはあるか?動かしにくいか?など痛みの評価を聞きながら適切な治療をアドバイスするのがいいのかもしれない。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です