メトホルミンは 2型糖尿病患者の乳酸アシドーシスを増やしますか?

メトホルミンは 2型糖尿病患者の乳酸アシドーシスを増やしますか?

メトホルミンは糖尿病患者の乳酸アシドーシスを増やしますか?

メトホルミンの重篤な副作用の一つとして乳酸アシドーシスが知られているが、はたしてリスクはどのくらいなのだろうか?

2010年に報告されたコクランレビューを読んでみよう。

Risk of fatal and nonfatal lactic acidosis with metformin use in type 2 diabetes mellitus.

PMID:20393934

論文のPECOは?

  •  2型糖尿病患者

  • メトホルミン or メトホルミン+他の治療

  • プラセボ or メトホルミン以外の治療

  • 乳酸アシドーシス(致死的、非致死的)

論文のチェックポイント

検索した文献データベースは?

➡ アブストラクトからは不明。2006年に発表された同テーマ論文では、①Cochrane Library、②MEDLINE、③EMBASE、④OLD MEDLINE、⑤REACTIONSを使用

検索語と検索期間は?

➡ アブストラクトからは不明

調べた研究の種類は?

➡ 前向き研究および前向きコホート研究

各論文の参考文献まで調べたか?

➡ 確認できる文献については調べた

各論文の著者に連絡をとったか?

➡ 主研究者に連絡をとった

出版されていない研究も探したか?

➡ アブストラクトからは不明

同じ研究が複数報告されていないか?

➡ アブストラクトからは不明

 言語の制限は無いか?

➡ アブストラクトからは不明

研究は網羅的に集められたか?

➡ 347研究が統合されている。概ね集められている印象だがファンネルプロット確認出来ず

評価者は複数か?

➡ アブストラクトからは不明だが、おそらく2人

 妥当性の評価は明確か?

➡ アブストラクトからは不明だが、パブリッシュされていることからコクランハンドブックを使用したものとおもわれる

 各統合結果の異質性は?

➡ アブストラクトからは不明

研究は統合されたか?

➡ 統合された

結果はどうだったか?

347試験が統合された。メトホルミン群(70,490 patient-years)、対照群(55,451 patient-years)ともに乳酸アシドーシスは認められなかった

そこでポアソン分析を用いて、乳酸アシドーシスの発症リスクの上限について検討したところ、

 メトホルミン群では 4.3 cases/100,000 patient-years

 対照群では 5.4 cases/100,000 patient-years 

と両群間で差は認められなかった。

またベースラインからの乳酸値や治療レベルの変化についても、両群間で差は認められなかった。


考察

有料論文の内的妥当性の吟味は限界があるものの、コクランレビューということで読み進めた。

メトホルミンといえば乳酸アシドーシスを連想する方もいるのではなかろうか。しかしメタ分析の結果、リスク増加は無さそうである。他の文献によると慢性腎障害や慢性肝障害が、乳酸アシドーシスの独立したリスク因子であることも示唆されている。こちらについては、また後日。

もちろんファンネルプロットや Risk of bias table、異質性について吟味できないない点は考慮する必要があるが、殊更リスクを取り上げる必要は無いのではなかろうか。

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